浴衣は日本の夏の風物詩。花火大会や夏祭りなどのイベントに参加したり、京都などを散策したりするときは浴衣を着ることが多いです。浴衣を着るだけで気分が盛り上がりますが、清潔さをキープするために毎回クリーニングに出していると、費用がかさみます。

浴衣のお手入れにかかる費用を節約したい人は自宅で洗濯してみましょう。「浴衣は自宅で洗濯できない」と思っている人は少なくありませんが、最近は自宅で洗えるものが増えています。ここでは、浴衣を自宅で洗濯する方法についてご紹介いたします。

浴衣の洗い方

夏は汗をかいたり、皮脂が出たりしやすいため、清潔な浴衣を着たいなら、毎回洗濯が必要です。ところが、クリーニング店などにお手入れをお願いすると、1,000円から5,000円程度、費用がかかります

クリーニングの費用がもったいないと感じる人は自宅で浴衣を洗いましょう。振袖や訪問着などの着物とは違い、普段着としても着られる浴衣は自宅で洗濯できるものが多いです。

洗濯表示を確認

最近、売られている浴衣の多くは自宅での洗濯に対応していますが、生地などによっては自宅で洗濯できないものもあります。自宅で洗濯できない浴衣を無理やり洗うと、品質が劣化してしまうので、初めて洗濯する場合は、必ず洗濯表示を確認しましょう。

新表示の場合は、洗濯桶や手洗いのマーク、従来の表示の場合は、洗濯機や手洗いのマークが付いていれば、自宅で洗濯できます。一方、新表示でも従来の洗濯表示でも洗濯桶の上にバツマークが付いている場合は、自宅では洗えません。

洗濯表示のマークを確認したら、次は洗剤に関する表示をチェックしてください。新表示で「中性洗剤使用」もしくは「中性」、従来の表示で「中性」と書かれている場合は、一般的な洗剤ではなく、おしゃれ着用の中性洗剤を使用します。

「中性」などの表示がない場合は、一般的な衣料用洗剤で問題ありません。ただし、染めたり、漂白されたりしていない「きなり」の浴衣や淡い色の浴衣を洗う時は蛍光剤が配合されている洗剤を避けた方が良いでしょう。

タグや洗濯表示の裏に注意書きなどがある時は、それについてもしっかりと確認しておいてください。

初めて洗う時は色落ちチェック

鮮やか色の浴衣や濃い色の浴衣は洗濯で色落ちすることがあります。色落ちすると、浴衣の見た目が悪くなるだけでなく、他の洗濯物に色が移る可能性が高いので、浴衣を初めて洗う場合は、必ず色落ちチェックをしましょう。

色落ちチェックする時は、浴衣の裾や内側などの目立たない部分に、使用する洗剤の原液を付けて5分程度待ちます。その後、白い布などで押さえて、色が付かないかを確認してください。色が付いた場合は、他の洗濯物と分けて素早く洗うのがおすすめです。

洗濯機を使う場合

洗濯機を使えば、自宅で簡単に浴衣を洗えます。シワや品質劣化を防ぐ正しい洗い方を見ていきましょう。

折り畳んで洗濯ネットに入れる

浴衣を洗う時は洗濯ネットが欠かせません。洗濯ネットを使用せずに洗濯機で洗うと、シワシワになります。小さすぎる洗濯ネットも大きすぎる洗濯ネットもシワの原因になるので、ジャストサイズを用意しましょう。

洗濯ネットに入れる時は目立つホコリやごみを取ってから、浴衣を畳みます。畳んで洗濯ネットに入れることでシワや色落ち、型崩れを防げます。畳み方は「袖たたみ」がおすすめです。

・袖たたみの方法

  1. 左右の袖を合わせます。
  2. 袖を内側に向かっております。
  3. 身ごろを4つに折ります。

浴衣全体のうち、最も汚れやすい裾を外側に向けて畳むのがきれいに洗うポイントです。

モードの選択

浴衣を洗う時は型崩れや品質劣化を予防するために、「ドライモード」もしくは「手洗いモード」などの優しいモード(コース)を選択します。なお、洗濯にはお風呂の残り湯を使う人も多いですが、浴衣は清潔な水で洗いましょう。清潔な水で洗えば、色落ちや生地の傷みを予防できます。

脱水は短めに

シワを防ぐために、脱水時間は短めに設定しましょう。1分で脱水を止めて水分を含ませた状態で干す方がシワが伸びやすいです。また、シワの予防には柔軟剤の使用も効果的です。柔軟剤は必ず柔軟剤投入口に入れて使ってください。

手洗いの場合

手洗いする場合は、たらいや洗面台に水を張り、浴衣を入れて押し洗いします。

押し洗いの手順

  1. 30度以下の水を張ります。
  2. 洗剤を適切な濃度で溶かします。
  3. 袖たたみした浴衣を水に浸けます。
  4. 生地が傷まないように優しく押し洗いします。
  5. 浴衣を畳んだまま洗濯ネットに入れて1分間脱水します。
  6. 清潔な水で再び押し洗いしてすすぎます。
  7. もう一度、1分間脱水します。

シミ・汚れがある時

大切な浴衣を汚してしまうことは少なくありません。浴衣に目立つ汚れがある場合は、洗濯機を使ったり、手洗いしたりする前にある程度汚れを落としておきましょう。効率的に汚れを落としたい時は、汚れの種類に合わせて洗い方を変えるのがポイントです。

食べこぼし

食べ物や飲み物をこぼしてシミになった場合は、中性の台所用洗剤を汚れた部分に付けて歯ブラシなどでこすります。

化粧品

ファンデーションや日焼け止めを落とす時は顔に使うクレンジングが便利です。シミ部分にクレンジングを付けて軽くこすり、汚れを浮かして落としましょう。クレンジングの中でもオイルタイプは洗浄力が強いです。

泥汚れ

泥はねで裾などが汚れてしまったら、まずは泥を乾かします。ドライヤーや扇風機などで水分を飛ばしましょう。汚れが乾いたら、歯ブラシなどで優しくこすってください。最後に、石鹸を泡立てて汚れが付いた部分を押し洗いしましょう。

皮脂や汗

襟や袖口などが皮脂や汗で汚れた時は、おしゃれ着用洗剤を馴染ませてから洗濯してください。おしゃれ着用洗剤がない場合は、部分洗い用洗剤や液体洗剤でも代用できます。

シミ

頑固なシミを落としたいときは部分用の酸素系漂白剤をスプレーします。塩素系漂白剤は洗濯力が強いですが、生地を傷めてしまう可能性があるので、浴衣には使用しないことをおすすめします。

のり剤を使う時

浴衣をパリッと仕上げたい人やアイロンがけを楽にしたい人はのり剤を使用しましょう。のり剤を使う時は、いつも通り洗濯機で浴衣を洗い終わった後に、低水位で洗いと脱水にセットします。

洗濯機内に水が溜まったら、浴衣に直接かからないように注意しながら、のり剤を入れてください。3分ほど洗濯機を回したら、1分程度脱水して終わります。

浴衣の干し方

洗濯が終わったら、すぐに浴衣を干しましょう。長時間干さずに放置していると、シワが取れにくくなったり、雑菌が繁殖して嫌な臭いがしたりします。なお、浴衣は生地が傷むリスクが高いため、乾燥機は使用できません。

外干しの方法

干す際はまず、手のひらでたたいたり、手アイロンをしたりして大きなシワを伸ばします。その後、もの干し竿に直接袖を通すか和服用のハンガーにかけて形を整え、風通しが良い場所に干します。直射日光に当たると、変色してしまうことがあるので、浴衣を干す時は日陰を選びましょう。変色を予防したい場合は、裏返しにして干すのもおすすめです。

部屋干しの方法

外に干す場所がない場合や天気が悪い場合は、部屋干しでも問題ありません。部屋干しする場合は、和服用ハンガーを使うのがベストです。和服用ハンガーがない時は、一般的なハンガーにラップの芯や突っ張り棒などを取り付けても良いでしょう。

コンパクトに浴衣を干したい人は、浴衣を畳んだまま角ハンガーにつるしたり、3つ程度のハンガーにかけたりする方法もあります。部屋干しで早く乾燥させたい場合は、扇風機を使ってください。

浴衣のアイロンがけ方法

浴衣にシワがあると、美しく見えません。気を付けていても洗濯をするとシワができてしまうので、正しい方法でアイロンがけしましょう。アイロンがけする場合は、生地を傷めないように必ず洗濯表示を確認し、それに従って温度を調節してください。

アイロンがけの手順

  1. 裏側から襟にアイロンをかけます。
  2. 後ろ身ごろ上部の縫い目の部分に裏側からアイロンをかけます。
  3. 当て布をして袖にアイロンをかけます。
  4. 左前身ごろと後ろ身ごろの下部に裏側からアイロンをかけます。

浴衣にアイロンがけする時の注意点

生地の傷みを予防するため、綿や麻などの素材の浴衣は霧吹きで水をかけながらドライアイロンをかけます。ポリエステルの浴衣はドライアイロンを当てましょう。濃い色の浴衣は高温でテカってしまいやすいので、当て布をするか裏側からアイロンをかけてください。

前身ごろと後ろ身ごろを重ねてアイロンがけすると、色が移りやすいので、注意が必要です。

時間がないときのお手入れ方法

浴衣を着る予定が重なって洗濯する時間がない場合やシワ・臭いなどが気になる場合は衣料用のお手入れスプレーを使いましょう。スプレーの種類によっては、静電気を予防できたり、香りを楽しめたりするものもあります。

お手入れ剤を使う時は、浴衣を和服用のハンガーにかけて20㎝程度離れたところからスプレーし、軽く湿ったら手アイロンでシワを伸ばします。収納ジワなどの頑固なシワが付いている場合は、しっとりと湿る程度にスプレーするのがおすすめです。

スプレーした後は、雑菌の繁殖を防ぐため、しっかりと乾かしてから浴衣を着用してください。なお、浴衣によっては衣類用スプレーでシミができたり、色が落ちたりすることもあります。

心配な場合は目立たない場所にスプレーして浴衣への影響をテストすると良いでしょう。

帯のお手入れ方法

浴衣を着る時は帯を欠かせません。帯にも汚れは付くため、浴衣を洗濯する時は帯も一緒にお手入れするのがおすすめです。帯をお手入れする場合も、浴衣と同じように洗濯表示を確認してください。

自宅で洗濯できる場合

洗濯機マークや洗濯桶マーク、手洗いマークが付いているものは自宅で洗濯できます。目立つ汚れがある場合は、おしゃれ着用洗剤をなじませて、折り畳み、洗濯ネットに入れて洗濯しましょう。

洗濯機を利用する場合は、浴衣と同じ「ドライモード」や「手洗いモード」を選択してください。洗濯が終わったら、色落ちしないように陰干しするか部屋干ししましょう。シワがある時は、手アイロンをしたり、手のひらでパンパンと叩いて伸ばしたりしてください。

アイロンをかける場合は、洗濯表示に従って温度を設定し、当て布をしましょう。

自宅で洗濯できない場合

自宅で洗えない場合は、使用後に乾いたタオルで汚れを払い落します。その後、陰干ししてから収納しましょう。収納する際は折り畳むか丸めておくと良いでしょう。目立つシミや汚れがある場合は、クリーニング店に相談してください。

浴衣を洗濯しよう

一般的に売られている浴衣は自宅で洗濯できるものが多いです。夏は汗をかきやすく、人ごみでは大切な浴衣が汚れてしまうことも少なくないので、浴衣を着たらこまめに洗濯して清潔な状態を保ちましょう。

洗濯表示を確認し、それに従って洗濯すれば、自宅でのお手入れでも浴衣が傷んでしまうことは少ないです。洗濯表示がない場合は、購入店などに確認してみてください。